トリックアートな世界遺産 チェコの「リトミシュル城」がおもしろい
◆だまし絵がおもしろい世界遺産「リトミシュル城」
北海道ほどの大きさのチェコには12の世界遺産があります。
1つ目は初日に訪れた「プラハ歴史地区」。
2つ目が今回やってきた「リトミシュル城」。1568年から14年をかけて作られ、1999年に世界遺産に登録されました。
「お城見学かぁ、お城なんてどこも似たり寄ったりでしょう。」と、お城にそれほど興味がなかったワタクシ。高を括ってごめんなさい!「リトミシュル城」ものすごくおもしろかった!!!
はい、ではお城へ行ってみましょう。
リトミシュル城見学は約50分のガイド付きツアーのみです。(240Kc=約1,150円)
明治の板チョコみたいなリトミシュル城の壁。遠くから見たときは、こういうレンガが積まれているのかなと思ったんだけど、これはズグラッフィートと呼ばれる装飾で、壁の表面を掻き落として絵を描いています。
封筒に見えるのでレターズと呼ばれています。(チョコレートではなかった。)
壁に描かれたレターズは8000あって、全て違う模様なんだって!よく見ると結構おもしろくて、なんだか情けないお顔のライオン?とか。ファルコン風のやつとか。
実はこのズグラッフィートの壁は「古臭い」と一度白く塗られてしまったのだけど、彫刻家のゾウベクさんが、城の修理をしたときに復活させたんだとか。なかなかおもしろいエピソード。
◆全部だまし絵「バロック劇場」
こちらは城内にある、1797年にできた「バロック劇場」。
よく見て、ここのカーテン、柱、壁の彫刻、これ全部クラシシズム様式のだまし絵なのです。おもちゃみたいでかわいい!
立て替えされていないバロック劇場は世界に5つのみ。その1つがここリトミシュル。
ここは当時、貴族自身が演じて楽しんでいたそう。その殆どがコメディだったとか。
柱のくぼみもだまし絵!
◆貴族が暮らしただまし絵のお城
次は、貴族が暮らした部屋を見学します。
ここは貴族のためのミーティングルーム。沢山の肖像画が飾ってあります。
実はこれ、額縁も壁の装飾もぜーんぶ「だまし絵」。
もう、ここまでやってくれるとすごい!おもしろい!
想像していたありがちなお城と全く別物でした。これはお城に興味なくても、ものすごく楽しいです。
だまし絵にすることで逆にお金がかかっちゃったんだとか。チェコの人おもしろい。
本を積み重ねてあるものはゴミ箱。一番上が蓋になっています。
各部屋の端にはストーブがあって、このオベリスク的なものもストーブ。壁の裏側から薪をくべられる仕組み。
この乙女チックな置物もストーブ。
ガイドさん付ツアーはここまで。
◆リトミシュル城の地下はワイン貯蔵庫!
次はお城の地下へ向かいます。
お城の地下は涼しく、ワインの貯蔵に適しているため、ワインの委託販売をしています。日本ではなかなかお目にかかれない、チェコのモラヴィアワイン(主に白ワイン)を買うことができますよ。
ボトルワイン以外にも、こんな感じでペットボトルで量り売りもしてます。
お城の地下には、プラハ生まれの彫刻家ゾウベクさんの作品がずらりと並んでいます。
ゾウベクさんは最初にさらりと書きましたが、リトミシュル城のズグラッフィート装飾を復活させたお方。現在91歳。
実は、この日の昼間に参加したガストロフェス(美食フェス)にもいらしてたんだとか!ニアミス。
うぇーい!
ゾウベクさんの作品はお城の外の公園にも飾られてます。
ついついアテレコしちゃうプレスツアーの同行者たちよ…。
◆ロウソクで作ったハートのオブジェ
お城の地下で是非見ておきたいのがこちらのオブジェ。
2011年、チェコで愛されたヴァーツラフ・ハベル初代共和国大統領が亡くなった時に、国民が灯した追悼のロウソクを回収してハート型のオブジェにしたもの。
作品の保管場所に最適な温度条件だったため、こちらに置かれるようになったそうです。よく見るとロウソクなのよ。
そして、ハートの中にも入れるよ!
◆スメタナのお家はリトミシュル城だった!?
お城見学、最後にやってきたのは作曲家スメタナの生家。
なんとあのモルダウのスメタナの生家はリトミシュル城なんですよ!正確に言うと城の中にブルワリーがあり、その工場の部分にあたります。
ビール醸造所の杜氏を父親に持つスメタナは1824年生まれ。
11番目の子どもにして長男だったため大事に育てられたそうです。この家には7歳くらいまで住んでいました。
記念館では当時を再現した部屋を見ることができます。クラシック音楽好きには外せないスポットですね。
見所いっぱいのおもしろ世界遺産「リトミシュル城」、敷地内にはホテルも併設されていて宿泊も可能です。
【リトミシュル城公式サイト】
住所:Jiráskova 93, 570 01 Litomyšl,Czech
【ネタフル・コグレさんによるチェコ旅動画】
2:14~2:19あたりがリトミシュル城の様子。
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